極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(一緒にいればいるほど、意識させられるみたいで……)
「どうして私のことを知りたいと思うんですか?」
「仲よくなりたいからだよ。俺のことも知ってほしいし、ふたりでいられる時は、他のことなんてどうでもいいくらい、万佑ちゃんのことばかり考えてる」
綺麗な笑みを浮かべ、環はそれとなく答えただけなのに、万佑はポッと頬を赤らめた。
元彼の大地といた時は、デートをしても妬いてばかりだったと思い出す。他の女性をチラチラ見たり、女性の店員にフランクに話しかけたりする彼の気を引くのに必死だった。
そんな小さなことを気にかけている自分も嫌だったし、そうさせる大地にも不満を抱いたものだ。
だけど、おそらく環なら大切にしている彼女を不安にさせることなく、楽しい時間を過ごせるのだろうと想像できた。
それは、こうして過ごしている間、スマートフォンを操作することもなく、料理を美味しそうに食べ、万佑との会話にきちんと集中してくれているから。
自分と過ごすために時間を使ってくれていると感じさせられるのが、こんなに嬉しいものなのだと、万佑は初めて知った。