極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「万佑ちゃん、なんだか今日はいつもと違うね」
「そ、そうですか?」
「ミミちゃんの店で飲む時は、もっといろいろ話してくれるのに、今日は口数も少ないし、ちょっとよそよそしい気がする。もしかして、緊張してる?」
「っ!! 別にそういうわけじゃないですよ? ただ……」
曖昧に言葉を切ってしまったせいで、環が話の続きを待っている。
(永縞さんとふたりでいるのが、こんなにドキドキさせられるなんて思わなかったから……)
いつもと彼の雰囲気が違うので、本当にデートみたいで意識してしまうのだ。
飲み友達と出かけている雰囲気もしないし、楽しみにしていた期待を大きく上回る時間に心が浮き立つ。
だけど、そんなことを言えるはずもないし、言ったところで彼を困らせてしまうだけだと思い、万佑は言葉を探す。