同期以上、彼氏未満
昴は、告白してからというもの、私にまっすぐ気持ちをぶつけてくるようになった。


関西弁だし、冗談ぽく聞こえるけど、本気だと伝わっていた。


でも、私には裕和がいるし、と自分に言い聞かせる。


「なあなあ、この玉子焼うまかったで。


取ってきたろか?」


「あとで、自分で取ってくるからいいよ」


本当は、こんな冷たい言い方したくない。


今までなら、


「ほんと、ありがと!」


って、お願いしてたはずなのにな。


私だけかもしれないけど、ギクシャクしてて変だった。


午前中のミーティングも無事に終わり、スーツから普段着に着替えてホテルのロビーへ戻ると、昴はもう待っていた。


「ごめん、待った?」


「いや、俺も今来たとこや」


「三浦くんは?」


「まだみたいやな」


「そっか」


しばらく待っていると、昴のスマホが鳴った。


「もしもし・・・ああ、もう一緒におるで。


え、そうなん?


そんなら仕方ないな、こっちで何とかするわ」


「どうしたの?」


「あー、三浦が急用で来れへんって。


メグ、どうする?」


「どうするって・・・ホテルの部屋キャンセルできるならして、東京へ帰るよ」


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