同期以上、彼氏未満
「俺、恵に言われたこと直したよな?


それ以上、なんの不満があるんだよ」


「私のワガママだよ、ごめん」


指輪を外して、テーブルに置いた。


「どうしても、裕和との未来が描けなかった」


「それで、浦野を部屋に連れこんで、抱きついてたってわけ?」


「それは・・・」


「詩織ちゃんと浦野と飲むとは聞いてたけど、一晩家で過ごすとは聞いてないし。


浦野は恵が好きだとは思ってたけど、恵は裏切らないって信じてたけどな」


「裕和、本当にごめん。


こんな形じゃなくて、もっと早く言えばよかった」


「もう、どうでもいいよ。


荷造りして、さっさと出てけ」


「須川さん、そんな言い方は・・・」


「浦野に何がわかるっていうんだよ!


おまえの顔なんか見たくねえよ、さっさと帰れ」


耐えられなくなったのか、裕和は黙って出ていった。


「昴ごめん、なんかひどい修羅場みせちゃって」


「メグ、平気なん?」


「私が悪いんだから、仕方ないよ。


荷物まとめるから、何言われても平気だから。


昴、今日は帰ってくれる?」


「・・・わかった。


ほな、なんかあったら連絡しいや」


昴も帰り、一人ぼっちになった部屋で、座りこんだ。


荷物をまとめなきゃ、と、引越屋に段ボールの手配を頼もうとスマホを持った。


その時スマホが鳴って、画面を見たら、昴からのメッセージだった。


『俺はいつまでも、メグの味方や』


涙が流れた。


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