青の瞳に映るのはーー
「青、チラシ回ってきたけど……マジか?」


チラシ?片手に、真也が現れた。
もう、立つ気力のない俺は紙を貰い、読み始めた。

"カップルショーに、美心ちゃん出場!!
是非、告白して頂いてください!!
彼氏から奪い取れ!!"ーーーなんだこれ。

なんなんだ、これはーー。

俺は知らないし、聞いてない。

俺は思わず、紙を握りつぶした。

「あ、目黒くんいたいた。
劇の話なんだけどーーーっ!!」

ガタンッ!!


俺は、藤の体を押し倒していた。

「聞いてないんだけど………騙したの?

騙したのかよ、言えよ‼」

色々なことがあった。
だからってことはないけど、怖がらせるつもりも泣かせるつもりも、無かった。


「……………っ、ごめんっ」


けど、藤が泣いたのは確かで。

藤は怯えた様に、俺を見上げた。

「青っ!!何してんだよ!!」

その後の廉が、怒る瞬間も……
引き離す真也も居て、その中にいた俺だけーー
異空間の中の様だった。

俺が悪い。

そばで泣いてる藤に、小さく呟いた。

「"ごめん"」

君に聞こえているか、分からない。
だけど、謝りたかった。

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