先輩の彼女にしてもらいました
そんな、先輩に早退させてまで、家まで送ってもらうなんて嬉しいけどなんだか申し訳ないな。

「先輩がさ、すずなちゃんをお姫様抱っこでここまで運んでくれたんだよ。もーすごい、カッコ良かったんだからー。こう、軽々と抱き上げてさ、大事なものを運ぶみたいに優しく話しかけちゃったりして。あーもう、本当に王子様みたいだったんだよー」

きゃあきゃあ言いながら、その時のことを話しウットリしている沙織ちゃん。

すっかり自分の世界に入り込んでいるみたい。

「あとね、上着脱がしてあげてって保健室の先生に言われて、先輩が、脱がせるのかなって思ったら恥ずかしがっちゃって私にやってって言うんだよー」

「あ、上着?ああ沙織ちゃんありがとう」


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