先輩の彼女にしてもらいました
「桜さん、私、つばさ先輩と、2人で会ってお話しがしたいです」

「うーん、でも今さっき、つばさったら、ピリピリしてたから今日は会わない方がいいかもしれないよ」

桜さんはそう言うけれど、ピリピリしているとか怒っているつばさ先輩を、私には全く想像出来ない。

彼はいつも、穏やかで優しい人だから。

「お願いです、桜さん。私、今すぐ先輩に会いたいんです」

桜さんは、真剣に懇願する私を見て、仕方ないなというようにため息をついた。

「うーん、わかった。じゃあ、呼んできてあげるから部室で待ってて。言っとくけど、八つ当たりされても、めげないでね」

「は、はい。頑張ります」

八つ当たりって、そんなにつばさ先輩は、今、機嫌が悪いのかな?

だとしたら、桜さんの言うように会わずに帰った方がいいのかな。

でもやっばり、でもやっぱりどうしても

今すぐ先輩に会いたいんだ。
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