先輩の彼女にしてもらいました
部室でただ待っているだけでは、手持ち無沙汰なので、お掃除をしながら待っていた。
これも、マネージャーさん達の仕事で、何度かお掃除を手伝ったことがあったから。
フローリングに掃除機をかけていたら、ドアをノックする音がした。
はい、と返事をしたらドアが開いてつばさ先輩が入ってきた。
「あっ」
彼はびっくりしたような顔をして、表情を強張らせた。
私がここにいるって聞いていなかったんだろうか。
彼は自分のロッカーに行き私には、背中を向けながら口を開いた。
「来てたんだ、また手伝わされてるの?」
少し素っ気ない声で聞かれる、あまり興味がないようにも見える。
確かにいつもの先輩とは違う気がする。身にまとっているオーラが違うというか、いつもの先輩の柔らかな雰囲気ではなかった。