先輩の彼女にしてもらいました
「先輩、この間はすみませんでした。アキちゃん達のことで先輩に嫌な思いをさせてしまって。だけどアキちゃんの言ったことは全部嘘なんです」

先輩は、私の方を見ないで、しばらく黙っていた。

先輩が、怒っていたらどうしょうかと不安だったけど精一杯の勇気を振り絞って続けた。

「時田くんのことも、違うんです。あんなひどい嘘をどうして、アキちゃんが言ったのかわからないけど。私の好きなのは」

言い終わらないうちに先輩は、ロッカーをパタンと閉めた。

「わかった、もういいよ」

初めて聞いた彼の冷たく感情がこもっていないような声で、そっけなく返事をされた。

どうでもいいって、言われているような気がした。

先輩にとって私のことなんて大した存在じゃないって言われているような気がして、悲しくて俯いた。
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