先輩の彼女にしてもらいました
「俺、ちょっと変なんだ。うまく説明できないけど、足の怪我のせいかもしれないけど、思い通りに動けなくて。それで、岳に突っかかってさ。だから君のせいじゃないから」

「足ですか?見せてください、先輩」

私は立ち上がって彼のそばに行こうとした。

過去に何度か足をひねったことや、軽い怪我をしたことは私にもある。

「えっ、いいよ、大丈夫だから」

先輩は、困ったように少し後ずさりした。

「本当に、俺のことは気にしないで」

「私、足のマッサージとか出来ますから」

「いい、いい、本当に、そんなことしなくてもいいから。あの、俺のことは、放っておいて」

先輩は、少し戸惑っているようで、両手を前に出して全力で断られてしまった。

こんな風に、思い切り拒否られてしまうと少し悲しい。

「俺のことは、そっとしておいて。自分でなんとかするから」

そして、とうとう突き放すような言葉を言われてしまう。
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