先輩の彼女にしてもらいました
「あ、はい。すみません、先輩、だけど私に出来ることがあればなんでも言ってください」

「うん。気持ちは嬉しいけど、これは俺が乗り越えなきゃいけないことだから。それより蒼井さん、もうマネージャーの手伝いとかはする必要はないよ」

「どうしてですか?」

マネージャーのお手伝いは、これまでたいしたことはしていなかったけれど、夏休みに入るし、これからはもっと本格的に協力していきたいとさえ思っていたのに。

だって、私が先輩のために出来ることなんて、それ以外に思いつかなかったから。

それなのに、そんな私の気持ちを否定されたような気がしてショックだった。

「蒼井さん、俺のことよりも、もっとちゃんと自分のことを考えたほうがいいんじゃないかな?その・・・」

彼は言いにくそうに、言葉を続けた。彼の表情は先程から、沈んでいて元気がないような気がした。
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