先輩の彼女にしてもらいました
「変わりたくないです、これまでみたいに先輩のそばにいさせてください」

「そしたら、ずっと蒼井さんは自分で飛べないままだよ、いいの?」

彼の言っている意味はわからないけれど、彼から見放されるのが怖くて怖くて全身がブルブルと震えていた。

今まで通りでいたい、変わりたくなんてない。先輩と別れるのも少しだけ離れるのも絶対にいやだ。

私は先輩以外に何も欲しくないのに。

それなのに、こんなことを言い出す彼のことを酷いとさえ思った。

「ごめんね、蒼井さんを泣かせるなんて俺はやっぱりダメだな」

辛そうに言う先輩は、なんだかとてもはかなげに見えて心配だった。

< 357 / 450 >

この作品をシェア

pagetop