先輩の彼女にしてもらいました
まあ、岳とはしょっちゅう、喧嘩をしているから部員達も警戒しているんだろうけど。

「おい、岳、なんなんだよっ、別に俺は時田のことなんて気にしてないぞっ」

うそつけ、思い切り気にしていたくせに。

いやいや、恥ずかしいじゃんかよ。みんなが、見てる前で、俺がさも嫉妬で苦しんでるみたいな言い方をされたら。

まあ、実際そうなんだろうけど。だけど素直に認めるのは癪に触る。

「そーか、よーし、おまえの気持ちはよくわかった、時田を殴りたいのは、やまやまだろうがぐっとこらえろ」


勢いづいたように大声で言う岳は、先ほどとは全然違って、なんだか楽しそうだ。

「いや、わかってねーだろ、岳、だから俺は」

チラッと彼女に目をやると心配そうにこちらを見つめている。

下が半パンのジャージに上は白いテイシャツ姿の彼女は、今日も可憐だった。


< 386 / 450 >

この作品をシェア

pagetop