先輩の彼女にしてもらいました
「が、岳、ちょっと待て」

「俺は時田に分をわきまえろって教えてやってるんだよ。おまえの女にちょっかいだすなって言ってやってんだ」

「わー、ちょっと待て、岳、ストップ、ストーップ」

俺はますます焦って岳の口を殴ってでもふさごうかと一瞬思う。

なんなんだよ、どうしてこうなるんだよ。

なにげに俺が恥ずいじゃないか。岳どうしたんだよ。

時田の言うように、部員の色恋にまで口を出すなんて、職権濫用じゃないか。

他の部員達も俺たちの周りに集まってきて、なぜか俺は両サイドから青山兄弟にガッチリ押さえられる。

「つばさ先輩、逃げてくださいっ」

岳も後ろから武田にしがみつかれている。

岳と俺が取っ組み合いの喧嘩でも始めるのかと思われたようだ。
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