先輩の彼女にしてもらいました
ぼんやりと、暗い気持ちになっていたら大谷キャプテンが凄い怖い顔をしてこちらへズンズンと歩いてきていたことに気が付くのが遅れた。

「ど、どうしょう」

恐怖で思わずつぶやいてしまう。

目の前まで来た長身の大谷キャプテンは、私を冷たく一瞥(いちべつ)して、片方の眉を吊り上げていた。

「ちょっと、君、一緒に来て」

私の前を通りすぎざまに、よく通る強い声で言いいながら、足を止めずに体育館の入口へ早足で、歩いていく。

私もあわててあとを小走りで追いかけた。

きっと、時田君と話し込んでいたから、体育館から出て行けってことだよね、怖いよぉ。

体育館を出るときに、つばさ先輩を急いで探したけれど、どこにいるのかわからなかった。

つばさ先輩助けて。


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