先輩の彼女にしてもらいました
子供っぽいわがままで、先輩を困らせてしまった。彼がきたら一番に謝ろう。

怒ってないかな。許してくれるかな。
ちょっとだけ、心配。

正門にもたれながら、ぼんやりバスケ部の部室の方をみていたら、つばさ先輩が走ってくるのが見えたので手をふった。

先輩は視線が合うと、柔らかくフワッと笑ってくれる。

肩には、大きなスポーツバッグと通学カバンをかけている。

でも全然走ってるスピードを落とさないで、そのまま私の横を通りすぎていこうとする。

「走って」

「え?先輩?」

「早く早く」

通り過ぎるか過ぎないかの時に声をかけられた私はわけがわからないまま、先輩のあとを走って追いかけた。

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