響くんとは付き合いません!!
ニヤリと怪しげに響くんの吐息が、耳にかかる。
耳の下に触れた唇が、首筋をねっとりとなぞる。
「あっ……んんっ…」
こそばゆいと似たような、でも少し違う感覚に身体がぞくぞくする。
「じゃあ認めろよ。俺のことが好きだって。じゃなきゃこのまま襲うぞ?」
響くんの手が4番目のボタンにかかった。
「いっ、いじわる…っ」
じわじわと、涙がこみ上げる。
響くんのことが好き。
だけど、どうしても本人に好きだって言える勇気が出てこない。
1年前のあの日に山岸くんに、
『気持ち悪っ』
と足元に唾を吐かれたときの辛さが、響くんに告白する勇気を奪い去る。