響くんとは付き合いません!!



お昼ご飯を寮の部屋で食べたあと。

メイク直しをして、お気に入りの黒いショルダーバッグを肩にかけて寮を出た。



高層ビルやデパートがずらりと並ぶ大通りを、雑踏に紛れて歩く。



ひとりで歩くことには慣れているから、寂しいなんて感情はない。

むしろワクワクしていた。



15分くらいで、昨日も響くんと一緒にきたこのあたりではいちばん大きな駅が見えてきた。



「ん……?あれ?」



駅前にある噴水の前のベンチに座ってるあの人…。



陽の光にあたると金色に見える明るい茶髪を、ワックスでふんわりと立たせていて…。

スマホをいじる横顔が、やけに整ってて…。



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