響くんとは付き合いません!!
「知ってるー、満瑠?この学校のテニスコートね、夜になると出るって噂だよ?」
「出る……?」
施錠された校門をよじ登り、テニスコートがある校庭にやってきた。
すると奈央ちゃんが不気味に笑いながら、しかも声色を変えてそんなことを言ってくる。
その『出る』ものとは、きっとアレだよね。
ごくり、と息をのむ。
「テニスコートを走り回るような、足音が聞こえるんだってよ!」
万里くんが私の耳元に息を吹きかけるように喋ってきたりするもんだから。
「ぎゃぁぁあっ!」
びっくりして、可愛げのない叫び声をあげてしまった。