はつ恋の君をさがしてる
そんな話をしただけで、高嶺さんはちょっと病院行ってくると言って出かけてしまった。
私は緊張をやわらげようと家事に勤しむ。
帰ってくるのか?聞けなかったけれど昼食の支度をしてみる。
料理をしていたらふと思い付いて、手土産にシフォンケーキを焼くことにした。
材料を近所のスーパーで仕入れて、引越で持ってきた道具を使って……
久しぶりでちょっとドキドキしたけれどちゃんとふわふわに焼き上がってホッとする。

夢中になって時間も緊張も忘れていたんだけど、焼き上げたケーキを冷まして箱に詰めていたら高嶺さんが帰ってきた。

「おかえりなさい!お昼ごはんは?」
「は?昼飯って?もう3時だぞ?まさか食べないで待ってたのか?」

え?あれ?
あわてて時計を見たら本当に3時を過ぎていた……
かなり夢中になってたんだなぁ……。
苦笑いで忘れてたことを話したら大笑いされて呆れられたけど、そのあとしっかり叱られて軽く食べてから薬を飲まされた。

本当に過保護だわ。
でもなんだかうれしいのは何でかな?
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