はつ恋の君をさがしてる
不安ですぐにでも逃げ出したい気分なのに、
なんだか受付の女性が見張っているような気がして動けない。

そんなはずは、ない…よね?

それからどれくらい待ったのか?

不意に名前を呼ばれて顔をあげると、看護師さんが目の前に立っていた。

「あなたが澤田鈴加さんですか?」

あわてて返事をして急に立ち上がったら、ずっと座っていたからか、クラっとめまいがしてまた座りこむはめに…

「あら?大丈夫ですか?」

「はい。すいません。何でもないです。」

今度はゆっくり立ってみる。
うん。大丈夫だ。

「じゃぁ診察室に行きましょうか?」

看護師さんにうながされて診察室に。

引き戸を開けた看護師さんに続いてなかに入り医師の前のイスに座る。

「澤田鈴加さんです。先ほどめまいを感じられた様子でしたので、ご報告しておきますね。」

看護師さんはそう言うとすっと離れていく。

途端に私は緊張で固まって顔が上げられなくなる。

「偉いな!逃げないでちゃんと待っていられたじゃないか。」

不意に頭の上に大きな手が乗せられて、その手が子供をあやすみたいにポンポンと私の頭をなでた。

びっくりして顔をあげると、目の前に座っていた人物と目が合う。

それは………え?なんで?

目の前に居たのは

白衣を身に纏った高嶺さん。

うそ……え?
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