はつ恋の君をさがしてる
「なに笑ってるんだ?」

「良いでしょ!高嶺さんが先に笑ったんだから!」

私は拗ねたようにそう言う。

途端に焦ったように高嶺さんが話しかけてくる。

「めまい起こしたって?なんか持病でもあるのか?」

「別に……。たぶん貧血…」

「ふ~ん。貧血ね……ちょっと花井さん!」
またその場を離れていた看護師さんを呼び戻した高嶺さんは、看護師さんにとんでもない指示を出す。

私は全力で拒否して逃げを打つも、即座に捕獲されて高嶺さんに後ろから押さえ込まれた。

目の前には注射器を手にした看護師さん。

絶体絶命だ……

「大丈夫だって!花井さんはうちの看護師さんの中じゃ一番採血上手いから!ちょっと我慢しろ!」

高嶺さんはそう言うけど、この世で一番嫌いな注射器を目にしたらおとなしく我慢なんてできないよ!

私は何とか逃げ出す隙はないかと必死で考えていたけれど逃げられるわけもなく……。

花井さんと言う名前の看護師さんが容赦なく私の腕を掴んで血管を探り始めた。
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