はつ恋の君をさがしてる
「本当にごめんなさい。今夜は遅いって聞いてたから連絡しなかったんです……」

場所をリビングに移してすぐに改めて心配させたことを謝る私に高嶺さんはちょっとだけ眉間にシワを寄せるように困った顔をして見せる。

「別に怒ってる訳じゃない。ただ、帰ってきたら居なかったから…なんか…寂しかったんだ。」

ボソッとそう言うなり恥ずかしそうに視線を反らした高嶺さんがなんだか可愛くて、ついついその視線を追いかけるように顔を近づけてしまった。
ソファーに座っていでも身長差があるので、自然と見上げる姿勢になるのだが、それを見た高嶺さんは何を思ったのか?
不意に私の両目を覆うように大きな手のひらでがばっと顔を押し退ける。
びっくりして慌てて体を引いて距離をとった。

「ごめんなさい。近すぎたね……」
無意識の行動だったとは言えやり過ぎたと素直に反省して項垂れる。
「もう良いから風呂入って早く寝ろ!明日も仕事だろう?俺は明日は昼からだから、風呂は後で良いから、さっさと酒臭い髪を洗ってこいよ!」
そう言いながらぐしゃぐしゃと私の髪を掻き回すように触る。
それがちょっと気持ちいいなんて言えないから、必死で怒ったふりをしながらバスルームに逃げた。

バタンとバスルームのドアを閉めたと同時にずるずるとドアにもたれながら座り込んだ。

最近の高嶺さんはやっぱりなんか変だ。
妙にスキンシップが多い気がする。
以前から過保護が過ぎるとは思っていたけど……何かあったのかな?

私との結婚のことで何か言われてるのかな?
お試し同居がそろそろ終了とか?

最初に提案した時にはきっちり期限を決めた訳じゃなかったし……。
気が付いたら3ヶ月。
あっという間に過ぎちゃったしなぁ…

なんだか普通。
普通に毎日が過ぎていく感じ

高嶺さんと2人で居ることに違和感を感じなくなったのはいつからだろう?
毎日当たり前に高嶺さんの事を考えてる気がする。
冷蔵庫に貼ってある勤務表だって、毎朝普通に確認する癖がついてるし……
日勤の日はお弁当まで作って持たせてるし。
夜勤で遅い日や当直で帰ってこない日はさみしいって思ったりもする。

私にとって高嶺さんはすでに側に居るのが当たり前の存在?だよね……

これって…私……高嶺さんが好きってことかな?

なんか…さっきの、高嶺さんの帰ってきたら居なかったのが寂しかったんだって言葉が、すごく胸に響いた。

高嶺さんにそろそろ結婚しようって言われたときより……


< 187 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop