はつ恋の君をさがしてる
ドアの鍵が開くと相良がすっとノブにてをかけて引く。
俺は鈴加を抱いたまま室内に潜り込むように入った。

リビングのソファーにそっと鈴加を降ろす。

相良がすぐに鈴加の呼吸を確かめるようにのぞきこむ。
俺は相良に任せてタオルを取りにバスルームに。

しばらく眺めていた様子の相良だったが、タオルを取って戻ってきた俺に不審な目を向けて口を開いた。

「で?この子はどこで拐ってきたんだ?」

「あのなぁ~相良まで俺を悪者扱いするなよ!彼女は親父に頼まれて病院で治療した俺の患者だよ。」

ちなみに成人してる!!

最後の言葉にかなり驚いた様子の相良だったが、すぐに気を取り直してさらに畳み掛けるように質問攻めにあう。

仕方ないから出会いからこうなった経緯を包み隠さずにしゃべった。
相良は唯一信頼できる俺の親友だから…。

もちろんその間にも俺たちは、彼女の服を脱がせて身体を拭き、全身を軽くチェックしてから俺の新品のTシャツを着せて、さらに熱をはかる。

「何度ある?」
「38.7……まだ上がりそうだぞ?」

だろうなぁ。

熱のために赤くなった顔。
苦しそうな呼吸。

まったく、なんだってあんなところでぼーっと座り込んだままだったのか……

「それにしても、本当に注射器見ただけで気絶したのか?そんな子本当にいるのか?」

俺の話でソコだけ興味を示したらしい相良がからかうような口調でしつこく聞いてくる。

鈴加のために水枕を用意しながら本当だよとぞんざいに返事を返した。
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