眩しさの中、最初で最後の恋をした。
「ちょっと!今日は四人で出掛けるんでしょ!私と要くんを置いてかないで!」
そう大きく叫んでいると、私の手を要くんが掴み歩き出した。
その歩調は、私の一歩に合わせてゆっくりだ。
「コラ、そこの体力バカども!有紗はインドアのお姫様だぞ!こっちに合わせろ」
「うわ!私だって女子なのに!」
「いや、お前マラソン大会で男子混じりで三位とかだから規格外だろ?」
「そう言えば、日菜っち俺の次だったもんね!」
「蒼くん!?蒼くんまで私を規格外扱い!?」
私たちは賑やかに話しつつ目的地の海沿いの水族館に向かうべく、電車に乗ったのだった。
電車でも、私達の会話は尽きること無く終始話しては笑いあっていて、気付けば電車は海が見えるところを進んでいた。
「わ!天気が良いからか、海がキラキラ光って見える!」
私が思わず声を上げると、皆も車窓から見える景色に視線を向ける。
「ホントだ!キラキラだね!水族館の後少し砂浜で遊びたいくらいだわ」
さすが、体動かすのが大好きな日菜子らしい言葉。
「遊ぶと言うよりは砂浜散策くらいだろうよ。遊び道具も何も無いしな」
サクッと突っ込むのは要くん。
さすが長年の付き合い、会話のテンポが二人は早い。
そうこうするうちに、水族館の最寄り駅へと辿り着いた。