眩しさの中、最初で最後の恋をした。

そこには既に、日菜子と蒼くん、要くんの姿がある。

蒼くんと要くんは背が高いので二人並ぶと目立つ。
しかも、タイプの違うイケメン二人に可愛い系の日菜子がセット。

注目される集まりである。

改札向こうから見ていたら、視力の良い日菜子が私に気付く。

「有紗!おはよう!」

ぴょんぴょん跳ねる日菜子は、今日も可愛い。
昨日買った水色に花柄のワンピースが、よく似合っている。

改札を抜け、私は皆の元へと足を向けた。

「皆、おはよう!今日ちょっと暑いくらいだけど、晴れて良かったね」

そう声をかければ、皆笑って答えてくれる。

「おはよう、有紗ちゃん。本当に天気が良くてお出かけ日和だね!」

ニコニコの蒼くんは日菜子と手を繋いでいた。


「おう、暑いからな。体調に少しでも何か感じたらすぐ言えよ?」

そう言うと、要くんは少し心配そうに顔をのぞき込んだ。

「へ?そんなにヤワじゃないよ?」

「いや、俺らに比べたら有紗はインドアだろ?」

その言葉には確かに、と頷いてしまう。
なにせ、三人は運動部だから。
基礎体力から違う気がする。

「ほれ、行くぞ!あのカップル周り見えてないからな?」

気付けば日菜子と蒼くんは先を歩き出してる。

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