雨夜の星に、願いひとつ
「……そう。ごはんは?」
「軽く食べようかな。夕方に差し入れもらったから、あんまりお腹空いてないんだ」
「わかった」
期待していた反応との違いに、わたしは内心ガッカリしつつ、温め直した料理をテーブルに並べた。
いつものように少しの会話をはさみながら食事を進めるわたしたち。
テレビの向こうのサッカー中継は大いに盛り上がっている。日本が勝ち越しゴールを決めた瞬間には、わたしも箸を置いてガッツポーズしてしまった。
「ごちそうさま」
早々に食べ終えた賢二郎が席を立った。そして自分の食器をシンクに運ぶと、そのままバスルームの方へと歩いていく。
そんな彼にわたしは思わずたずねた。
「試合、ラスト5分なのに最後まで観ないの?」
「え、うん。別に俺、サッカーってあんまり興味ないし」
「……そう」