初恋の君と、最後の恋を。
机に顔を伏せる。
なにあれ?親しい感じだった。
香織ってーー
待って。私、黒瀬先輩に名前を呼ばれるどころか、"君"が定着してしまっている。
もしかして先輩、私の名前を覚えてないんじゃ。春嶋という苗字すら…。
「はああ」
お昼になっても動く気にはなれなかった。
午前中の授業も少しも頭に入ってこなかった。
「なに?お腹痛いの?」
ソーセージパンを食べながら雅美は私の机に座った。
「違う。ちょっと疲れただけ」
「あんたらしくないけど、どうした?」
「ここでは言えない…」
学校中の噂になってしまうよ。
「雅美、購買で私の分のパンも買ってきて」
「代金はもらうからね」
教室から出てしまえば、黒瀬先輩と遭遇する確率が高くなってしまう。どんな顔をして話をすれば良いか、分からなかった。