初恋の君と、最後の恋を。
「黒瀬さん!一緒にお昼どうですか?」
「奢りますよ!」
「ごめんね、待ち合わせしているんだ」
食券機の横で待っていてくれた黒瀬先輩は、腕を引いた雅美を見ても顔色を変えなかった。
「友達?」
「クラスメートの小林雅美です。ご一緒しても良いですか?」
「もちろん。カツ丼で良いかな?」
既に購入してくれていた食券を私と雅美に差し出した黒瀬先輩に、頷く。
眉間にシワを寄せて首を振った雅美の足を踏み、
追加でもう1枚発券した先輩にお礼を言う。
「黒瀬先輩、ありがとうございます」
「構わないよ」
良かった。
先輩なら雅美のことを受け入れてくれると思っていた。
誰よりも人の顔色を伺う雅美に対して、爽やかな笑顔のまま奢ってくれた先輩に心の中でそっと感謝した。