初恋の君と、最後の恋を。
くるりと身体ごと私に向き直り、黒瀬先輩は言ってくれたのだ。
『俺も、ーーーーーー』
それは、
ありがとう以外の返事。
彼の言葉に、生徒たちが静止した。
「嘘っ…、」と、3年のお姉様方の心の声も漏れている。
涼しい顔の黒瀬先輩と、彼の隣りに立つ相馬先輩はニヤリと笑ってはいるけれど、
私を含めた女子生徒全員が唖然として立ち尽くしていた。
絶対に届いてはならない想いだと思っていた。
届くはずがないと、思い込んでいた。
初恋の君と、両想いになれる日を想像すらしていなかった。
最後の恋を、君と築くことができるなんて。
私は世界一の幸せ者だ。
数秒前の黒瀬先輩の答えを思い出し、温かい気持でーー彼らの元へ駆け寄った。
『俺も、菜子が好きだよ』
初恋の君と、最後の恋を。【完】
2018/10/8
最後までお付き合い頂けた方がいらっしゃいましたら、とても嬉しいです。
本当にありがとうございました。


