初恋の君と、最後の恋を。
始業式。
夏休み明けにも関わらず身体が軽い。
相変わらず雅美は遅刻だった。
登校したら昨日の相馬先輩とのことを根掘り葉掘り聞いてあげるんだから!
あ…。
教室から始業式のため体育館向かう、廊下で黒瀬先輩を見つけた。
姿勢よく歩く彼の凛とした後ろ姿に叫ぶ。
「黒瀬先輩!」
私の大声を聞いて、通りすがりの生徒たちが「ああ、またか」って、冷めた視線を寄越している。
気にしない。
誰がどう言おうと、私は今まで通り黒瀬先輩に愛を伝えるだけだ。
それに今はもう、その想いに応えてもらっている。
「黒瀬先輩!私、あなたのことが好きです!」
「大好きなんです!」
観客が私を嘲笑おうとも、私に聞こえるように嫌味を投げ付けようとも、
黒瀬先輩だけは、私の味方で居てくれるってことをーー知っているから、私は今日も自分の気持ちに素直でいられる。
「ありがとう」
足を止めて先輩は、振り返ってくれた。
優しいありがとうに、胸がキュンとする。
けれど、今日はいつもとは違ったーー