初恋の君と、最後の恋を。
放課後、ホームルームが終了すると真っ先に3年生の教室に向かう。
階段を2つ飛ばしで駆け下りて、先輩のいるA組を覗く。
男子生徒からサッカーの助っ人を頼まれているようだったが丁寧に断っていた。
「ちょっと。2年が何の用?」
廊下から教室を伺う私に気付いた3年のお姉様方が仁王立ちで迫ってくる。
「黒瀬先輩を待ってます」
堂々としておけばいいよね。
誰が誰に恋しようと、そのことで批判を受けるような後ろめたいことはひとつもないもの。
「あなた、自分の立場と言うものを…」
「黒瀬先輩!一緒に帰りましょう!!」
お姉様方の小言に上乗せするようにして大きな声を出した。
高嶺の花と称される黒瀬良斗を手に入れることができるなど、少しも思っていない。
手が届かない人だからこそ、恋の相手に最適なのだ。ーー私の場合。