初恋の君と、最後の恋を。
黒瀬先輩と校門を出る。
登下校を一緒にするなんて、彼女になった気分だ。
「クラスの子から、なにか言われてた?」
「挨拶程度ですよ」
「なにかあったらいつでも言ってね」
「先輩の彼女でもないのに、優しくしてくれるんですね」
少し棘のある言い方をしても、先輩は笑っただけで。
少しも取り合ってもらえない。
あまり期待させないで。
私はあなたの隣りに立っていられるだけで、幸せなんだ。
「先輩、今日のスケジュールは?」
「君は俺の秘書みたいだね」
「どちらかと言ったらストーカーですね」
「くっ」
黒瀬先輩は笑った。
すっと細められた目は優しげで、先輩の笑った顔が大好きだ。