伝説に散った龍Ⅰ
ーー私をずっと庇っていてくれたはずの、四つ歳の離れた兄は
翌年の三月、
就職すると同時に家を出た。
ーー『兄が家を出るのは、社会人になるから一人暮らしするだけ』と自分に言い聞かせながら
その後、1度も家には帰らず連絡を絶った兄に
ーーやっぱりかと。
とうとう、家族が壊れた。
これもまた、私のせいだと思った。
姿は見せないくせに
毎月、通帳には必ず送金してくる兄。
兄なりの、最大限の優しさ立と分かっているが
ーー私には顔すら見せてくれないのかと、たまに泣きたくなる。