愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜
ドクン。
ドクン。
スマホを握る手に力がこもる。
「…もしかして、この画像拡散したの?」
今は感情を抑えるのに、精一杯。
「え?そりゃ、皆に知らせないと」
一人の女の子が悪びれもなく言った言葉に、抑えていた感情が漏れ始める。
「人が死のうとしてる瞬間を、何で皆に知らせる必要があるの?」
スマホを返そうとする手が、怒りで震える。
「え…だって、面白いし」
「!」
面白い…?
人が死のうとしてる瞬間が?
「…何で結芽ちゃんが死のうとしてたか知らないくせに?」
どんな思いで、遮断機の中に入って行ったかー…
そんなことも考えもしないで、この子達はーっ
「人の表面しか見てない奴らが、人の不幸を面白がるな!!!」
感情のまま、女の子たちを怒鳴った。
そしてスマホを無理矢理渡すと、来た道を戻る。
驚いたのか、女の子の子達は遮断機が上がっているのにボケーっとしたままでいる。
そんなことは、どうでもいい。
今、大切なのはー…