愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜
黙って聞いていた結芽ちゃんの表情が歪んだ。
「だからー…」
「何それ…自分の不幸話?」
ドクン。
「え…?」
結芽ちゃんから発声られた言葉に、言葉が詰まる。
「人の話とかどうでもいいし。てか、同情もされたくない。私が、今どれだけ苦しんでるかわからないくせに」
「…」
「頑張れとか気持ちわかるとか、みんな嘘ばっか!お母さんに言われた通りに、いつも勉強してる!!学校でも友達と遊ばずに、勉強してる!!それで、友達が離れていってもお母さんの言われた通りにしてる!!」
一言一言喋るたびに、目に溜まった涙が結芽ちゃんの頬に伝う。
「けど…結果が出ないんだもん…点数悪かったら、また叩かれる…頑張りが足りないって言われる…私…頑張ってるのに…友達と絶交されても頑張ってるのに…」
結芽ちゃんの想いや悲しみが、胸に突き刺さる。
心の奥にあるものを、全てさらけ出してくれたような気がした。