愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜
「結芽!!!!」
ビク!!
結芽ちゃんの身体が、大きく跳ねた。
この声ー…
ゆっくりと結芽ちゃんから身体を離し、後ろに振り返る。
「あんたは…また、皆に迷惑かけて」
振り返るとそこにいたのは、結芽ちゃんのお母さんと圭吾くん。
「何で逃げることしか考えていないの!?」
怒鳴り声を上げ、大きな足音を立て結芽ちゃんのお母さんが近づいてくる。
「!」
隣にいる結芽ちゃんの手が、私の腕をぎゅっと握り締めている。
その手が震えているー…
「そんな弱い子に育てた覚えはないよ!!」
目の前まで来た結芽ちゃんのお母さんの手が、振り上がった。
叩く!?
「やめて!!」
これ以上、結芽ちゃんを追い詰めないで!!!
叩こうとしている手から庇うように、結芽ちゃんを抱き締めた。