愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜
後日ー……
「圭吾くん!今日も来ちゃった!」
「いつ見てもカッコイイよね~!好きになっちゃいそう」
カフェは相変わらずの大盛況。
店内は、相変わらず女の子ばっかり。
店の裏側にいても聞こえてくる、ピンク色のキャーキャーした女の子たちの声。
「高校の時からわかってたけどさ、圭吾くんが女の子に囲まれたり、キャーキャー言われたりとか」
「けどさ、ちょっと騒ぎすぎじゃない?」
店の裏側で皿洗いをしながら、ぶつぶつと出てしまう。
「櫻井」
ビク!
店内に繋がる扉から、圭吾くんが顔を出した。
「…はい」
驚いて、静止してしまう。
「結芽ちゃん来てる。出ておいで」
「え!?結芽ちゃんが?」
泡のついた手を急いで洗うと、圭吾くんの元に向かう。
「一番奥の席に案内してある。あと、これ」
圭吾くんに渡されたのは、ショートケーキ2つと冷たいオレンジジュースが2つ。
「俺のおごり。ゆっくりしてって伝えといて」
「あ…ありがとうございます」
圭吾くんから受けとると、結芽ちゃんが待つテーブルへと急いだ。