キミに好きって言えなくて。
ここで、静かに終わるの待ってようか。
そう思った矢先、
「千景…」
と奏汰の声が聞こえた。
図書室の入口を見ると、驚いた様子で突っ立っている奏汰が目に入った。
「陽葵は?!」 「吉沢は?!」
同じタイミングで言葉を発していても、愛しいそいつの名前だけは聞き取れる。
「どーゆうことだよ。
奏汰、昨日吉沢と付き合ったんじゃねぇのかよ」
俺がそう話しかけると、「そーゆうことか」
と半ば呆れモードの奏汰がそうつぶやいた。
「どーゆうことだよ」
俺の問いに奏汰は冷静に答えた。
「俺は昨日キッパリ振られた
好きな人がいるって。
まぁ、その好きな人の存在には最初から気づいてたんだけどさ?
陽葵、絶対両思いなのに、そいつも陽葵も、人のことばっか気にして、なーんにも進まないから。
だから、俺がしっかりケリつけることで、前進できるんだと思ってたけど?
そう言えば、その誰かさん、自分のことになったらマイナス思考になんの、忘れてた。」