キミに好きって言えなくて。
でもそんないつもの毎日の中で、変わったのは
「陽葵。そう言えばお前、今日お母さんの誕生日だろ?早く帰んぞ。」
「あ、そうだ!
すっかり忘れてた。ありがと、千景」
お互いが下の名前で呼ぶようになったことと。
「ほら。」
ふたりきりの帰り道は絶対に手を繋ぐこと。
俺のを握った陽葵が「えへへ」と照れたように笑う。
「なに笑ってんだよ、気持ちわりぃ」
「そんなこと言いながら、千景だって嬉しいくせに〜」
そんな言い合いをしながら帰る毎日が、
俺にとってはすごく大切だ。
「千景...大好きだよ?」
そんなことを可愛い顔してふと呟く陽葵のことを俺は一生かけて幸せにしようと思う。
「.........俺も。」
「え?なんて??!」
「さぁーな。もう言わねぇよ」
季節はもうすぐ春になる。
あたたかい風が俺らをふんわりと包み込んだ。
キミに好きって言えたから、
俺の人生はこの先きっと
とてつもなく、
幸せだ...
✽.。.:Fin*・゚


