好きが伝われ


購買まで行く。

結構並んでるけど、まだあるかな?


「ん?あ、紫衣ちゃん?」

前に並んでたのが、まさかの恒樹さん。

「あっ、ど、どうもっ」


あからさまに動揺しちゃった。

「誰?」

翔太は不審そうに聞いてくる。

そりゃそうなるよね。私バカだ。


恒樹さんとあったことを今言っちゃったら告白どころの騒ぎじゃないよね!?

どうしよ〜


「あ、君もしかして1年で人気の塩谷君か」

「はい?」

「あ、俺は3年の伊賀恒樹。よろしくな」


恒樹さんが握手を求めるのに対して、ぎこちなく返す翔太。

「紫衣ちゃんとは、俺の友達経由。ほら菅野って知らない?中学一緒の」

す、菅野さん?誰だろ。


いや待て、ここはもしかして。

「あー、そうだ菅野さん。中学の時に1回だけ話したことあります〜」

「誰だよそれ。俺は知らない」

「君が知らない事も時にはあるさ」


翔太は明らかに機嫌が悪そうだ。

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