ちゃんと伝えられたら
「えっ?」

私はその場で立ち止まった。

坂口さんがその女性に優しい笑顔を向けている。

仕事の雰囲気にはとても見えない。

「あれ?篠田さんではないですか?」

私は後ろから声を掛けられて、びっくりして振り返る。

そこに居たのは寺本さん。

「今日はお休みではないのですか?」

会社のそばで会ったのだから、そんな風に聞かれるのは当然だ。

「もちろんお休みですよ。今日はたまたまここを通りかかっただけです。」

私は坂口さんの事が気になりながらも、寺本さんと話を交わす。

「そうですか。俺は今仕事が終わったところなんですよ。」

私は目で追っていた坂口さんを完全に見失った。

「寺本さんは休日出勤だったんですね、お疲れ様です。」

< 105 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop