ちゃんと伝えられたら
そう言えば最近はお弁当も急いで食べる事が多くて、感想も言ってもらえないな。

そういう意味ではまだまだ私は坂口さんの好みを掴めていないのかもしれない。

「今度はゆっくりおうちデートでもしましょうか?」

「えっ?」

私は目を丸くして、寺本さんの目を見る。

「その方が篠田さんに合っているような気がする。」

寺本さんは自分が言っている事の意味が分かっているんだろうか。

おうちデートって、どちらかの家に行くって事?

私のあっけに取られた顔を見て、やっと寺本さんも気が付いたようだ。

「あっ…、いえ、そんな深い意味で言ったわけではなく…。」

寺本さんの焦った表情を見るのは初めてだ。

いつも余裕たっぷりの雰囲気を漂わせているのに…。

私は寺本さんのそんな姿を見て、くすくすと笑いだしてしまった。

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