ちゃんと伝えられたら
私がこんな事を思うのは生意気かもしれないけど。

「はい、連れて行って下さい。」

寺本さんの自然な姿に私もすっかり気を許している。

席に着き、注文を済ませた私は話のとっかかりを探していた。

「少し篠田さんの事を聞いても良いですか?」

寺本さんは何気なくそんな事を聞いた。

私はにこやかにうなずく。

「お休みの日はこんなふうにお一人で出掛ける事が多いのですか?」

私は苦笑いをしながら、首を横に振る。

「いいえ、あのプロジェクトに携わるようになってから、残業や土曜出勤が多くなって、日曜日はまとめて家事をする事が多いんです。だからあっという間にお休みは終わっちゃいますね。」

「おうちの事をするのが好きなのですか?」

「そうですね。料理も好きなので、お弁当も持参です。」

私はふっと坂口さんを思った。

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