ちゃんと伝えられたら
私達はお互いにまだプライベートをちゃんと知らない。

「坂口さん。」

私はぼんやりと坂口さんを見る。

昨日のあの幸せが遠い事のように感じてしまう。

そう、昨日だってあのまま私を送って、そのまま帰ってしまった坂口さん。

その事に寂しさを感じてしまった私。

「聞きたい事があるのなら、ちゃんと聞け。」

私が目を伏せた時だった。

そこに電話がかかって来た。

私は慌ててその電話に出た。

「すいません、坂口さんはお見えですか?」

間違いない、あの時の声だ。

「はい、申し訳ありませんが、お名前を伺っても宜しいでしょうか?」

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