ちゃんと伝えられたら
あのわずかな時間でこれを走り書きした寺本さん。

この真っ直ぐな思いに私はちゃんと向き合わなければならない。

「どうした?」

坂口さんが直行していた外出先から戻ってきたようだ。

「何かあったのか?」

私は慌てて首を横に振る。

「何でもありません。」

これは坂口さんに相談できない…、とっさにそう思った。

会社の事を切り離して、きちんと寺本さんにお断りしなくてはならない。

それが今私に出来る精一杯の誠意だと思う。

そして坂口さんに確かめないといけない事が出来た。

分かってはいるが、それは寺本さんからの話。

今の状況からいうと、すべてをうのみにして良いのか分からない。

でももし坂口さんに何か私に隠している事情があるのなら、ちゃんと聞かないといけない。

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