ちゃんと伝えられたら
なぜこんな時に坂口さんの名前が出てくるのだろう。

さっきの事が頭をよぎり、明らかに私は動揺する。

「今度坂口くんには大きいなプロジェクトを担当してもらう事になった。今までの担当を他の者に引き継いで、そちらに集中してもらう。それを補佐する専任の事務がどうしても必要なんだ。」

課長の言っている事は分かる、でも…。

「どうして私なんですか?もっと優秀な方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?」

私は仕事が出来る人間でない事をしっかりと自覚している。

「その事なんだが…。」

そこで会議室のドアが開いた。

「俺が篠田を指名したんだけど、何か問題があるのか?」

「坂口さん。」

私は思わず振り返って、その名を呼んでしまった。

「そろそろ年数的にこういう大きなプロジェクトを経験する時期じゃないかと思ってさ。」

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