ちゃんと伝えられたら
やっと我に返った私はその呼びかけに返事をする。

「すいません。」

私は資料室の前で沢野さんと鉢合わせした。

私の顔を見て、沢野さんが心配そうに聞いた。

「どうした?何かあった?」

「いいえ、大丈夫です。」

私をいつも指導してくれている沢野好美さん、27歳なので2つ先輩。

「ところで課長が私に何の用事でしょうか?」

「さあ、何だろうね。」

そんな事を言いながら、沢野さんは何か含んだような顔をしている。

私はオフィスに戻ると、すぐさま課長に会議室に呼び出された。

「篠田さんにお願いがある。」

会議室に向かい合って座る課長と私。

「実は篠田さんには坂口くんの専任になってもらいたいんだ。」

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