ちゃんと伝えられたら
「嬉しいです…。」

私は自分の両手を胸の前でぐっと握り合う。

「確かに大変だったけど、すごくやりがいがあって…。それがこんなに綾人さんの役に立っていたんですね。」

「そうだ。やっと分かったか。俺は志保を相手に、仕事で妥協した事はない。」

綾人さんは私にキスを落とした。

「今度は志保が話す番だ。一体何があったんだ?」

私はすべてを話し始めた。

三島さんのお嬢さんが会社へ訪ねて来た事。

その話の内容も。

そこに寺本さんがやって来た事も。

「…俺が出掛けてからのあの短時間にそんな事があったのか。」

絶句する綾人さん。

「でも道人さんの店の前で倒れてしまってからの事はどうしようもなくて。結果的に心配を掛けてしまってごめんなさい。」

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