ちゃんと伝えられたら
そしてゆっくりと丁寧に三島常務は私達に頭を下げた。

「ここにいるうちの人間に猛烈に意見をされた。こんな事は初めてだ。」

「そういう部下をお持ちの三島常務はやっぱりすごい方だ。」

綾人さんが周りを見ながら言った。

「ちゃんと部下が自分の上司に意見を出来て、それに耳を傾ける上司がいる。御社がそれだけきちんとした会社だという事をつくづく感じました。」

綾人さんの言葉に周りの張り詰めた雰囲気が一気に和んだ。

「君が篠田さんだね?」

急に三島常務に話しかけられて、私は慌てて頭を下げた。

「はい、私が篠田です。」

「そうか。君の書類作成能力は凄いらしいね。」

「ありがとうございます。」

すると三島常務はニッコリと笑った。

「良いお嬢さんだ。うちの娘とは比べ物にならないな。そうだ、いっその事二人でうちの社に来るかね?」

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